久しぶりの更新です。コロナ禍で皆さんいかがお過ごしですか?
もう1年以上経ちますよね。もう、僕もいろんなことがありました。
その中の一つがこれなんです。
コロナ禍で新しいプロジェクトを始めることにしたんです。
アジア象のドキュメンタリー映画を制作します。映画の仮タイトルですが「エレファントの叫び」です。僕は思い立ったらすぐに行動するタイプで2021年の5月から撮影を始めました。
まずはどんなもんを作りたいのかですよね。
ドキュメンタリー映画制作を思い立ったのはこのコロナ禍で象たちの状況が大変なことになっていることがわかったからです。主に観光に従事する象たちは観光客がいなくなった今、象のオーナーである人間から食事を与えられなくなったり病気になる象が増えています。象と人間の関係性がある意味、コロナ禍で明確に見えて来ていると感じました。また、象と人間の関係性から経済のこと環境のこと大きくいえば人間の未来のことが見えてくると思ったんです。
さて、そのアジア象について簡単に説明しますね。
東南アジア+インド+中国に生息しているのがアジア象って言います。
余談ですが、少し前に雲南省の象たちが北上して世界的なニュースになりましたよね。こうした現象は今の野生動物の現実を人間に突きつけていると思います。
20世紀初頭には野生象は10万頭以上生息していたと言われていますが、
今は5万頭前後です。減少の原因は開発によって森林が破壊されて生活圏を奪われていったことや象牙などを取るための密猟です。象は野生だけではなく家畜象もいます。人間に飼い慣らされた象たちです。現在、タイにはおよそ3800頭います。そして、野生象がおよそ1000頭です。
家畜象の歴史を振り返ってみるとなんと4000年前のインダス文明に行き着くんですね。長い歴史があるだと驚きました。野生象を家畜化して農作業などに使ったようです。そして、紀元前1100年ごろには戦争に使われた記述が残っているそうです。あのアレキサンダー大王も象を戦争に使っています。タイでは隣国ビルマとの戦いで象を使っていますね。
象はなんと言っても巨大で力が強い。その当時は生きた戦車だったんですね。
しかし、時代がたてば状況も価値観も変わります。
象たちは戦争に使われることはなくなりましたが、木材などの運搬に使われてきました。タイは1989年に象の過酷な労働は禁止しました。(実は今も違法な強制労働は続いています。)
そこで、人間たちが考えたのは象を観光に使うことです。
タイは観光立国です。世界でも8番目に観光客が多い国です。なんと2019年はおよそ4000万人。タイのGDPの20%を占めます。(ちなみに日本は12番目です。)タイにとっては観光は国家の柱になっているですね。
象たちもその稼ぎに大いに貢献しているんです。
言い換えれば象はお金を作り出せる動物なんですね。お金を生み出す象は財産でもある。コロナ前だったら若くて元気な象って最低1頭500万バーツ(1700万円)くらいしたそうです。仔象なら250万バーツ(850万円)。タイの大卒初任給が15,000バーツくらいですからいかに高いか分かりますよね。
そして、家畜化するために仔象の頃、人間から想像したくないくらいの
虐待を受けます。昔ならこれを当然のように飼い慣らすために必要な措置とみなすでしょうが、動物に対する価値観は変わってきました。象にも象として幸せに生きる権利があるという考え方です。
欧米を中心に定着してきた考え方「アニマル・ライツ」です。日本語で言えば動物の権利です。例えばフランス・パリでは2020年からサーカスでの野生動物の利用を禁止する条例を可決しました。利用禁止後ホログラムを使って動物の演技を合成したものをお客様に見せているのがニュースになっていました。
そして、タイでも時代の流れに乗ってこうしたアニマル・ライツのことを考慮した象キャンプ場が少しずつではあるけど増えてきました。
それを促進してきたのは欧米などのお客様でもあります。象を虐待するような施設には行かないという姿勢です。象の観光施設側はお客が来なくなったのでは商売上がったりです。ビジネスが社会変革を促すんですね。
思想もそうですがお金の力はすごいですよね。
さて、続きは来週の日曜日に書きます。しばらく日曜に更新していきます。
次回はその変革を促したタイの女性の話です。ドキュメンタリー映画の中心人物でもあります。象に命をかけている女性です。ハラハラドキドキの人生を歩んで来られた方です。
あっと忘れてはいけないので、この映画の制作費のことです。
8月中旬にはキャンプファイヤーというクラウドファンディングのサイトで
制作費を集めます。多くの人々にお願いをしてファンドを募ります。
もちろん、自腹を切手の船出ですが、しかし、自腹だけではかなり難しい、
映画制作ってお金がかかるんだと予算を作りながら思ったんです。
いやーこんなにかかるのって思っております。しかし、もう撮影も始まっています。完成させたいと思っています。逐次、お知らせを載せていきますのでよろしくお願いします。